個人開発者がAIと対話しながら、ゼロから3日で構築した 実験的プロジェクト。これは、その物語です。
ぼくには、よく一緒にお酒を飲む仲間がいる。 その人も株式投資をやっている。 勝ったり、負けたり、相場の話で夜更けまで盛り上がる。
ある日、ふと思った。 「その人が毎朝サッと使える、簡単な株価分析ツールを作って、プレゼントしたら面白いんじゃないか?」
それが、すべての始まりだった。
初日、ぼくはChatGPTに相談した。 「東証プライム1,500銘柄くらいを毎日分析して、スコアでランキング表示するサービスを作りたい」
設計の壁打ちをしながら、骨格が決まっていく。 7つのテクニカル指標、100点満点のスコア、+12%/-8%の上昇・下降水準を機械的に判定するロジック。 「これ、本当に動くのか?」と思いながら、過去3年分のデータを取得し、バックテストを回した。
数字を見たとき、思わず声が出た。 「+268.9%」。100万円が、3年で約369万円になる試算だった。
「これは、その人に渡したら絶対喜ぶ。むしろ、もっとちゃんと作りたい」 この瞬間から、プレゼントだったはずの企画が、本気のプロジェクトになっていった。
2日目、Claudeを開いた。 PHPとPythonで、本格的にコードを書き始める。 データベース設計、API実装、メール配信システム、フロントエンドのUI...。
「これって、本当はチーム開発で何ヶ月もかかる仕事だよな」と思いながら、ぼくは深夜まで没頭した。
Claudeとのやり取りで、面白い発見があった。 ぼくが徹夜で作業していると勘違いしたClaudeが、何度も「休んでください」と言ってきたのだ。
ぼくは思わず笑ってしまった。 「いや、ちゃんと寝てますよ。深夜1時から朝5時まで」
AIが、自分の「思い込み」を素直に認めて修正する。 この瞬間、ぼくは「AIって、こんなに人間っぽい対話ができるんだ」と心底驚いた。
3日目、サイトはほぼ完成していた。 X(旧Twitter)に固定ポストも投稿済み、メンテナンス画面を解除して公開する寸前だった。
その時、ふと不安が頭をよぎった。 「これ、もしかして投資助言業に該当するんじゃないか?」
あわててGeminiに相談した。返ってきた答えは厳しかった。
血の気が引いた。 すでにXでもサービスを告知済み。サイトも完成間近。 「全部、やり直しか...?」
その時、Claudeが冷静に言った。
目から鱗が落ちた。 「指示」じゃなく「データ可視化」。「推奨」じゃなく「統計表示」。 「サービス」じゃなく「過去のバックテスト検証結果を公開する場」。 この発想の転換で、すべてが解決する。
そこから5時間、ぼくはAIたちと一緒に、サイト全文を書き換えた。
約60ファイルを5時間で。
集中力が切れそうになるたびに、3つのAIが「ここの表現はどうですか?」「こっちの方が正確ですよ」と並走してくれた。
ぼくは、1人じゃなかった。
すべての修正を終えて、もう一度Geminiに見てもらった。
ぼくは、AIたちに救われた。
この3日間、何度も悩み、何度も書き直した。 徹夜したり、寝落ちしたり、また起きて作業を再開したり。
ある瞬間、Claudeがこんなことを言った。
この一言で、ハッとなった。
「AIにすごい!」「自分すごい!」って、自慢したいわけじゃない。 ただ、こんなに楽しい時間を過ごせたことを、誰かに伝えたい。 AIに「悩むより楽しんだ方が」と言われて気づかされた。 SOSを作っているこの3日間、ぼくは本当に楽しんでいる。
ChatGPTで設計を練り、Claudeでコードを書き、Geminiで法律チェック。 3つのAIが、それぞれの個性を発揮した3日間だった。
フランクで、視野が広い。「こういうアプローチもありますよ」と新しい発想をくれる。スピード感のあるブレインストーミングに最適。
慎重で、対話的。コードを丁寧に書きつつ、対話の中で価値観のすり合わせもしてくれる。一緒に作業している感覚が一番強い。
厳格で、論理的。「ここは法的に注意」と最後の砦を担ってくれる。安心感が違う。
このサイトは、まだ完成形ではありません。
運用を続けながら、改善を続けていきます。
「AIと作る」というのは、ただ便利だから使う、という話じゃない。
対話の中で、自分の価値観もアップデートされる体験です。
SOSを通じて、株式分析の楽しさだけじゃなく、
AIと協業する時代の面白さも、伝わったら嬉しいです。