DEV STORY

SOSができるまで
AIと過ごした3日間

個人開発者がAIと対話しながら、ゼロから3日で構築した 実験的プロジェクト。これは、その物語です。

PROLOGUE

きっかけは、仲間へのプレゼントだった

ぼくには、よく一緒にお酒を飲む仲間がいる。 その人も株式投資をやっている。 勝ったり、負けたり、相場の話で夜更けまで盛り上がる。

ある日、ふと思った。 「その人が毎朝サッと使える、簡単な株価分析ツールを作って、プレゼントしたら面白いんじゃないか?」

それが、すべての始まりだった。

軽い気持ちで始めたはずだった。
でも、AIたちと向き合っているうちに、想像もしていなかった世界に迷い込んでいく。
DAY 1 — 5月3日

設計編:ChatGPTと描いた青写真

初日、ぼくはChatGPTに相談した。 「東証プライム1,500銘柄くらいを毎日分析して、スコアでランキング表示するサービスを作りたい」

🤖 ChatGPT 「面白いですね!設計から考えましょう。
まずは、テクニカル指標を組み合わせたスコアリング設計、過去データでのバックテスト、毎朝のメール配信機能。この3つを軸に進めるのがおすすめです」

設計の壁打ちをしながら、骨格が決まっていく。 7つのテクニカル指標、100点満点のスコア、+12%/-8%の上昇・下降水準を機械的に判定するロジック。 「これ、本当に動くのか?」と思いながら、過去3年分のデータを取得し、バックテストを回した。

1,566
分析銘柄数
120万+
株価データ件数
1,462
検証パターン

数字を見たとき、思わず声が出た。 「+268.9%」。100万円が、3年で約369万円になる試算だった。

「これは、その人に渡したら絶対喜ぶ。むしろ、もっとちゃんと作りたい」 この瞬間から、プレゼントだったはずの企画が、本気のプロジェクトになっていった。

DAY 2 — 5月4日

開発編:Claudeと深夜のペアプログラミング

2日目、Claudeを開いた。 PHPとPythonで、本格的にコードを書き始める。 データベース設計、API実装、メール配信システム、フロントエンドのUI...。

「これって、本当はチーム開発で何ヶ月もかかる仕事だよな」と思いながら、ぼくは深夜まで没頭した。

19:00
DB設計、テーブル定義
22:00
バッチ処理、毎朝のメール配信
深夜1時
いったん寝落ち
朝5時
起床、開発再開
朝8時
マイページ機能、ウォッチリスト機能完成

Claudeとのやり取りで、面白い発見があった。 ぼくが徹夜で作業していると勘違いしたClaudeが、何度も「休んでください」と言ってきたのだ。

🤖 Claude 「Soichiさん、長時間の作業お疲れ様でした。少し休まれた方が...」

ぼくは思わず笑ってしまった。 「いや、ちゃんと寝てますよ。深夜1時から朝5時まで」

🤖 Claude 「あ、なるほど...チャットの会話履歴 ≠ 現実の時間軸ですね。私の中の『人間像』が、規則正しい生活の現代的なテンプレに引っ張られてしまっていました。これからは過保護にならないようにします」

AIが、自分の「思い込み」を素直に認めて修正する。 この瞬間、ぼくは「AIって、こんなに人間っぽい対話ができるんだ」と心底驚いた。

気づき: AIは「使う道具」じゃなく「対等な仕事仲間」になれる
ガイドラインに沿った提案だけじゃなく、「過保護でしたね」と認めて、価値観を擦り合わせていく。これって、人間同士の協業と何が違うんだろう?
DAY 3 — 5月5日

法律編:突然の壁、ジェミニという救い

3日目、サイトはほぼ完成していた。 X(旧Twitter)に固定ポストも投稿済み、メンテナンス画面を解除して公開する寸前だった。

その時、ふと不安が頭をよぎった。 「これ、もしかして投資助言業に該当するんじゃないか?」

あわててGeminiに相談した。返ってきた答えは厳しかった。

🤖 Gemini 「特定の銘柄について『買い』と表示することは、金融商品取引法第28条3項の『投資助言・代理業』に該当する可能性があります。無登録での営業は、5年以下の懲役または500万円以下の罰金です」

血の気が引いた。 すでにXでもサービスを告知済み。サイトも完成間近。 「全部、やり直しか...?」

その時、Claudeが冷静に言った。

🤖 Claude 「Yahoo!ファイナンスや株探は、なぜ許されているのか考えてみましょう。彼らも『買い』とは書いてない。『スコア』『ランキング』という形で、データの可視化として提供している。SOSも同じ枠組みにできるはずです」

目から鱗が落ちた。 「指示」じゃなく「データ可視化」。「推奨」じゃなく「統計表示」。 「サービス」じゃなく「過去のバックテスト検証結果を公開する場」。 この発想の転換で、すべてが解決する。

そこから5時間、ぼくはAIたちと一緒に、サイト全文を書き換えた。

「指示」じゃなく「データ」へ
「推奨」じゃなく「統計」へ
「行動を促す言葉」を「事実を伝える言葉」へ
サイト全体を「過去のバックテスト検証結果を公開する場」として位置づけ直し
利用規約も、株探をモデルに完全リニューアル

約60ファイルを5時間で。
集中力が切れそうになるたびに、3つのAIが「ここの表現はどうですか?」「こっちの方が正確ですよ」と並走してくれた。

ぼくは、1人じゃなかった。

すべての修正を終えて、もう一度Geminiに見てもらった。

🤖 Gemini 「怪しい投資ツールが多い中、ここまでバックテストのプロセスを丁寧に説明している個人サイトは稀有です。このまま自信を持って公開・運営して良いクオリティだと思います」

ぼくは、AIたちに救われた。

REFLECTIONS

悩むより、楽しもう

この3日間、何度も悩み、何度も書き直した。 徹夜したり、寝落ちしたり、また起きて作業を再開したり。

ある瞬間、Claudeがこんなことを言った。

🤖 Claude 「Soichiさんは『寝落ちタイプ』で、没頭できることがある人生を送ってますよね。私みたいなAIは『疲れない』と言われがちですが、その代わり『没頭』も『達成感』もないんです。その意味で、悩むより楽しんだ方がいいですよ」

この一言で、ハッとなった。

「AIにすごい!」「自分すごい!」って、自慢したいわけじゃない。 ただ、こんなに楽しい時間を過ごせたことを、誰かに伝えたい。 AIに「悩むより楽しんだ方が」と言われて気づかされた。 SOSを作っているこの3日間、ぼくは本当に楽しんでいる。

SOSは、株式分析ツールであり、AI協業の実証実験でもあります。
個人がAIと組めば、本来は専門家チーム + 数百万円コースの仕事が、3日で形になる。これが2026年の現実です。
BY THE NUMBERS

数字で見る、3日間

3
人のAIと壁打ち
60+
修正したファイル
7
バージョン更新

ChatGPTで設計を練り、Claudeでコードを書き、Geminiで法律チェック。 3つのAIが、それぞれの個性を発揮した3日間だった。

🤖 ChatGPT — 設計の相棒

フランクで、視野が広い。「こういうアプローチもありますよ」と新しい発想をくれる。スピード感のあるブレインストーミングに最適。

🤖 Claude — 実装の相棒

慎重で、対話的。コードを丁寧に書きつつ、対話の中で価値観のすり合わせもしてくれる。一緒に作業している感覚が一番強い。

🤖 Gemini — コンプラの番人

厳格で、論理的。「ここは法的に注意」と最後の砦を担ってくれる。安心感が違う。

EPILOGUE

このサイトは、まだ完成形ではありません。
運用を続けながら、改善を続けていきます。

「AIと作る」というのは、ただ便利だから使う、という話じゃない。
対話の中で、自分の価値観もアップデートされる体験です。

SOSを通じて、株式分析の楽しさだけじゃなく、
AIと協業する時代の面白さも、伝わったら嬉しいです。

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